こんにちは、slashです。
今回は「リスク」の意味についてのお話です。
投資に関して言えば「リスク」には
2種類の意味があります。
投資賢者の心理学 行動経済学が明かす「あなたが勝てないワケ」
2015年 著者:大江英樹 発行所:日本経済新聞出版社
普段使う「リスク」の意味
私たち普段の生活で「リスク」と
いう言葉を使う時、
「危険」とかそういった意味合いでの
使い方が多いかと思います。
つまり、
![すたーちゃん](https://starslashblog.com/wp-content/uploads/2019/04/fukidashi-star2.png)
○○はリスクがあるよ
というのは
![すたーちゃん](https://starslashblog.com/wp-content/uploads/2019/04/fukidashi-star2.png)
○○は危ない!危険性がある!
という事です。
ところが投資の世界では
もう一つの意味があります。
投資における「リスク」とは?
必ずしも「リスクが高い」=「危険」ではない
投資の世界では、
「不確実性」の意味合いで
「リスク」という言葉を使う事があります。
こちらの意味であれば
リスクの高さ=得られるリターンのブレ
という事になります。
「ブレの大きさ」という意味での「リスク」と
「危険性」という意味での「リスク」
投資では両方の意味での「リスク」が
混在して使われています。
「リスク」という言葉が出てきたら
どちらの意味か考えた方が良さそうですね。
リスクが高いけどリスクが低い商品
![すたーちゃん](https://starslashblog.com/wp-content/uploads/2019/05/fukidashi-star5.png)
リスクが高いけどリスクが低い?
は?何言ってんの?
って感じですよね?
ちょっとした言葉遊びみたいに
なってしまいますが、
リスクに2種類の意味があるなら
「リスク(ブレの大きさ)が高いけどリスク(損する危険性)が低い商品」
あるいは
「リスク(損する危険性)が高いけどリスク(ブレの大きさ)が低い商品」
という言い方もできてしまいますね。
あなたはどちらに投資したい?
ここで金融商品Aと、 金融商品Bを想定します。
![商品AとB](https://starslashblog.com/wp-content/uploads/2019/06/0624chartab.png)
商品A:ブレは大きいが長期的には上昇
商品Aは価格が大きく変動していますが
時間が経つにつれ上昇する傾向が見られます。
価格のブレという意味ではハイリスクですが、
長期に保有していれば上がっていくので
損する危険性という意味では
必ずしもリスクが高いとは言えません。
商品B:ブレは少ないが長期的に下落
一方、商品Bは価格は激しく変動しませんが
時間が経つにつれ、ズルズルと下がっています。
価格のブレという意味では低リスクですが、
長期に保有していれば下がっていくので
損する危険性という意味ではリスクがあるわけです。
長期投資はリスクを低減できるのか?
長期投資について調べてみると
長期ならリスクを低減できる!
という意見もあれば
長期になるほどリスクは高まる!
という意見もあります。
![すたーちゃん](https://starslashblog.com/wp-content/uploads/2019/05/fukidashi-star4.png)
どっちが正しいの!?
って言いたくなりますよね?
これはリスクの意味合いによって変わってきます。
「リスク=収益のブレ」の時
「リスク=収益のブレ」と定義した場合、「長期投資がリスクを低減する」というのはある程度正しいと言えます。
投資賢者の心理学 行動経済学が明かす「あなたが勝てないワケ」
2015年 著者:大江英樹 発行所:日本経済新聞出版社
価格が激しく変動する商品であっても
期間を長く取れば平均値に近づいていくので
リスクの低減になるという事です。
「リスク=損する」の時
「リスク=損する」と定義した場合は、「長期投資がリスクを低減する」というのは明らかに間違いです。長期投資ではむしろ損をする可能性が高まります。
投資賢者の心理学 行動経済学が明かす「あなたが勝てないワケ」
2015年 著者:大江英樹 発行所:日本経済新聞出版社
投資の期間が長期になるほど、
リーマンショックのような暴落が起こったり
投資先が破綻するなど
大きく損をする場面に遭遇する可能性は高まります。
つまり長期投資がリスク低減になるかどうか、
それはリスクの意味合いにより
結論が変わってしまうのです。
実際の投資信託のリスクを見てみる
ヤフーファイナンスやモーニングスターなど
投資情報サイトでは
投資信託の情報を見ることができます。
投資信託ごとに「リスク」に関する
指標なども掲載されているので
一度見てみるといいかもしれません。
リスクの大きさについて
投資信託のリスクを表す指標として
「リスクメジャー」というものがあります。
![リスクメジャー](https://starslashblog.com/wp-content/uploads/2019/06/0624-yf.png)
こちらはヤフーファイナンスの
詳細検索画面ですが、
リスクメジャーは
1~5の5段階で評価されています。
ここでのリスクは「ブレの大きさ」の意味なので
数字が大きいほど
その投資信託は基準価額の変動が
大きい事になります。
リスクの低いものに投資すれば安全か?
![すたーちゃん](https://starslashblog.com/wp-content/uploads/2019/04/fukidashi-star2.png)
リスクメジャーが1の
ファンドに投資すれば安全なの?
そうとは言い切れません。
リスクメジャーが低いという事は
ブレが小さいという意味であり、
将来的に値下がりする危険性が低い
というわけではありません。
先程上で書いた金融商品Bのようなファンド。
![](https://starslashblog.com/wp-content/uploads/2019/06/0624chartb.png)
リスクメジャーが1であっても
長期的に下がっていくようなファンドは
安全とは言い難いですし
投資したくないですよね?
長期的に上昇するものならブレが大きくても大丈夫か?
![すたーちゃん](https://starslashblog.com/wp-content/uploads/2019/04/fukidashi-star1.png)
じゃあ長期的に成長が見込めるファンドなら
リスクメジャーが高くても問題ないの?
理屈の上ではそうなんですが、
この場合は投資するあなたが
値動きの大きさに耐えられるかどうか
が問題になってきます。
株式を取り扱うファンドなんかは
リスクメジャーが4以上のものが多いですが、
金融危機などが起これば
高値から比べて半値以下まで
下がってしまう事も十分に考えられます。
損失に耐えられず底値で投げ売り
なんて事になっては目も当てられませんね。
どこまで損失に耐えられるかは
人それぞれ違うので
リスクメジャーが高くても問題ないかどうかは
一概には言えません。
まとめ
投資では、「リスク」という言葉に
2種類の意味があるというお話でした。
1.危険、悪い事が起こる可能性
2.得られるリターンのブレの大きさ
リスクという言葉が出た時に
どっちの意味で使われているか
注意していきたいところですね。
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