こんにちは、slashです。
株などの投資をするとなると
やはり損失が出るのが怖いですよね?
私は結構ビビリ体質なので
損失を恐れながら投資をしておりますが、
今のところは致命的な失敗もなく
生き延びております(笑)
前回は分散投資による
リスク(リターンのブレ)の低減について
書きました。
今回は投資をするにあたって
どの程度の損失を覚悟しておくべきか?
そんな事について考えてみます。
ワーストケースを考慮する意味
「最悪この程度の損失を被りますよ」
というように、ワーストケースを
事前に考える事は過剰なリスクを
取らないようにするためには大切です。
これにより、
いくらまでなら投資して良いか
という事が決められます。
例えば、
「1年で最悪20%損する可能性がある」
という株などに投資するとしたら
20%損失しても許容できる金額を
投資の上限額にしよう、
という様に投資金額を決める材料となります。
上記の例で
100万円まで損失を許容できるなら
500万円が上限額になりますね。
ワーストケースの計算
ワーストケースって
どうやって計算するの?
計算方法は色々とありますが、
今回はVaRと呼ばれるものを
計算してみます。
VaR
バリュー・アット・リスクの(Value at Risk)の略で
予想される最大の損失額を推定したものです。
本当の最悪パターンは
投資したものの価値が完全に
無くなってしまう事ですが、
起こる確率が極端に低い事象は無視して考えます。
本当の最悪パターンを考えるときりがないですし
投資もできなくなってしまいますからね。
実際にVaRを計算するときには
起こりうるシナリオの
ワースト1%か5%までを切り捨てて
考える事が多いようです。
リターンの分布が正規分布に従うなら、
ワースト1%を切り捨てる時のVaRは
VaR = -{(期待リターン) – 2.33×標準偏差}
と、簡単な計算式になります。
日本株に投資した時のワーストケース
TOPIXのVaR
日本株への投資という事で
株価指数TOPIXでVaRを計算してみます。
保有期間は1年と仮定します。
そうするとまずは、
1年保有した時の期待リターンと
標準偏差を計算する必要があります。
データは2011年4月末~2019年7月末までの
月次データを元に計算します。
また、リターンの大きさが正規分布に
従うものと仮定します。
計算結果は
期待リターン:8.7%
標準偏差:16.4%
VaR:29.5%
VaRが29.5%と出たので、
TOPIXに投資すると
最悪の場合1年で30%近く
損失が出る事を覚悟しておいた方が
良いという事ですね。
ちなみに、
今回は2011年4月末~2019年7月末までの
データを元に計算していますが、
この期間内で大きく株価が下落した箇所といえば
2015年頃(チャイナショック)や
2018年にも何度か大きく下落する場面がありました。
2015年8月の高値から翌年(2016年)の安値までは
30%程度下落していますし、
2018年1月の高値から同年12月の安値まで
20%以上の下落が実際に起きています。
30%の下落というのは
チャイナショック級の波乱に
匹敵するレベルという事ですね。
VaRで十分か?
1年で約30%の損失を想定しておけば
TOPIXへの投資する時のリスク管理は十分か?
過去の値動きを見ると
これは少々疑問に思います。
最悪のパターンを想定したのに?
まだ不十分なの?
今回計算したVaRは
ワースト1%のシナリオを
切り捨てた計算結果ですが、
ワースト1%の方が起こる可能性も
ありえない事ではありません。
リーマンショックが起きた2008年は
1年で50%近く下落しています。
つまり、先程計算したVaRを超える
損失が実際に起きているわけです。
計算に使用したデータが
2011年以降のものであるため、
それより昔の株価の動向が
VaRに反映されないのは
当然といえば当然の事ですが・・・
長期投資ではワースト1%も無視できないのでは?
長期投資になるほど
ワースト1%のシナリオに
どこかで遭遇する確率は上がっていくので
インデックスファンド等で
長期投資を考えている人にとっては
かなり発生確率の低い
ワーストケースもある程度考えておく
必要があるのではないかと思います。
私としては、
どこかで50~60%くらい下落する場面が
あってもおかしくないんじゃないか?
などと思いながら投資やってます。
本当に起こるかどうかはわかりませんが、
退場させられないよう、
資金管理には気をつけたいですね。
コメント