過剰に怖がりすぎてはダメ。コロナ禍でこそ冷静にリスクを見ていこう。

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こんにちは、slashです。
緊急事態宣言が5月末まで
延長される事になり、
まだまだ不安な状況は続きそうです。

最近では、他県ナンバー狩りやら
自粛警察やら
おかしな行動を取る
人たちの報道がよくされていますね。

さて、ここ最近の報道など見ていて
「リスクの感じ方」について
思った事があるので、
今回はそれについて書いていきます。

ポイント

伝え方、表現の仕方でリスクの感じ方は変わる。

滅多にない出来事を過大評価

発生確率の低い事象であっても
状況によっては過大に
見てしまうことがあります。

宝くじをなぜ買うのか

宝くじは買えば
高額当選する可能性はありますが、
その可能性は「ほぼ無い」と
言っていいくらいに低いです。

還元率は50%程度しかないため、
明らかに買う側が
不利な勝負なのですが、
買う人は結構多いようです。

「賞金○億円!」みたいに、
テレビCMなどでよく見かけるため、
実際の確率以上に
「当たりそうだな」
と錯覚している人が
少なからずいるのでは
ないかと思います。

宝くじを買う理由は
「夢を買う」というのが
よく言われます。
「高額当選したら何をしよう?」
なんて考えるのは楽しい
かもしれませんね。

これは「高額当選する」
という事象に重み付けをして
評価するから
楽しめるのだと思います。

まぁ期待値や高額当選率を
冷静に考えると
楽しめませんからね(笑)

最近は宝くじの売上も
減少傾向にあるようですが、
例えば、テレビなどで
高額当選のニュースを
大々的に報道し続けたら
「高額当選しそうだ!」と
錯覚させることも
できるかもしれませんね。

宝くじは、合理的に考えると
不利な勝負ではあるのですが、
ごく低確率でしか起こらない
「高額当選する」という事象に対して
どのように重み付けをするかで
評価が変わるという事です。

分母の無視

ダニエル・カーネマンの著書
「ファスト&スロー」
以下のような実験について記述があります。

被験者は二つの壺からおはじきを取り出します。
が出れば勝ちとします。

壺Aにはおはじきが10個入っており、うち1個が赤である。
壺Bにはおはじきが100個入っており、うち8個が赤である。

赤を引き当てる確率は
壺Aで1/10なので10%
壺Bで8/100なので8%
つまり壺Aの方が
赤を引きやすい(勝ちやすい)のは
簡単に計算ができるはずなのですが、
実験の結果、30~40%の被験者が
壺Bを選んでしまったそうです。

赤いおはじきだけに注目すると
壺Aには1個だけ、
壺Bには8個入っています。
壺Bの方が赤いおはじきが
沢山入っているので
こちらの方が赤を引き当てる
イメージがしやすく
勝つ望みがあるように
感じてしまう事があるようですね。

まさしく「分母の無視」ですね。

参考書籍

ファスト&スロー(下)
著者:ダニエル・カーネマン 訳者:村井章子 発行所:株式会社早川書房

リスクの受け止め方

リスクの伝え方次第で
受け止め方には違いがでてきます。

・手術に失敗する確率は0.1%です
・手術は1000回に1回失敗します

どちらも意味合いは同じですが
「1000回に1回」
頻度を言われた方が
失敗となる「1回」
強くイメージされて
危ないように感じませんか?

相対的な頻度(○○人に○人、○○回に○回など)で表現するほうが、抽象的な「確率」「可能性」「リスク」などの言葉を使ったときより、確率の低い事象が過大に重みづけされる。

ファスト&スロー(下)
著者:ダニエル・カーネマン 訳者:村井章子 発行所:株式会社早川書房

全く同じ事柄でも
伝え方次第で印象が変わってくる
という事です。

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毎日のように報道される感染者数

ここ最近のニュースといえば

「今日は○○人の感染者がでました。」
「今日は○○人が感染症で亡くなりました。」

こんな感じのものばかりです。
毎日のようにこんなニュースを
目にしていたら、
どうしても感染について
強く意識してしまいますし、
リスクの大きさを
正しく判断しづらく
なってしまうのではないかと
危惧しております。

先に書いたおはじきの
入った壺の実験でいうと
赤のおはじきの数だけを
やたら強調されているような
感じがします。

「正しく怖がる事が大事」とは
よく言われますが、
これでは「正しい」の範疇を超える
怖がり方をする人が
多数現れてしまうのでは
ないかと思います。

すたーちゃん
すたーちゃん

かと言って、
感染症を軽視していい
わけじゃないけどね・・・

リスクに対して
過大に重み付けをする事が
自粛しない人に対する痛烈なバッシング
他県ナンバー狩り、自粛警察など
こういった問題に
つながっているのでは
ないかという気がしています。

ここで、参考として武田邦彦氏の
動画へのリンクを貼っておきます。

参考動画
コロナの謎解1:コロナは怖くなかった?!
https://www.youtube.com/watch?v=zpOm6ND9AM0&t=0s

動画では
「病気になったのは日本人の0.009%」
「重症になったのは0.0002%」

パーセンテージ表記がされています。

「○○人感染した!」
「○○人重症化した!」
という表現と比べると
受ける印象も違ってくるの
ではないでしょうか。

他のリスクと比較

新型コロナでは5月7日時点では
約550人の方が亡くなられています。
(あくまで現時点での数字なので、
これからどの程度増えるかはわかりませんが・・・)

新型コロナとの比較対象として
よく挙げられるインフルエンザだと
毎年約3000人
(関連死も含めると推定約1万人

交通事故も毎年
3000人以上の方が亡くなられています。

つまり、
もっと危険なものは
身近にいくらでもあります。

「人類の危機だ!」
「この世の終わりだ!」

と言わんばかりに
恐怖する方も
中にはいるようですが、
さすがにこれは
いくらなんでも過剰かと・・・

こんな時こそ
冷静に数字を見たり、
色んな意見に触れてみたり
することが大切だと思います。

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他のリスクが目に入らなくなるリスク

活動を自粛などをして
感染拡大の防止をする事は大切です。
大切ではあるのですが、
そればかりに着目するのも
考えものです。

そもそも、みんなで自粛して
経済活動を縮小することも
大きなリスクを伴う行為です。

経済活動が停滞すると
企業の業績にも悪影響です。

上場企業の純利益67%減 1~3月期コロナで事業環境悪化
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200501-00000145-kyodonews-bus_all

もう既に上場企業の
利益が大幅に減少するという
事態になっています。

業績が悪化すれば
倒産する企業も増加します。

東京商工リサーチによりますと、
新型コロナ関連の倒産も
増加しているようです。

東京商工リサーチ
「新型コロナウイルス」関連倒産状況【5月7日17:00 現在】
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200507_03.html

そうなると、
仕事を失う人も多数になりますし、
経済的な要因で
命を絶つ方も出てくるでしょう。

つまり自粛することも
命に関わるような
リスクがあるわけです。

まとめ

伝え方、表現の仕方でリスクに対する
感じ方は変わってきます。

まずは
「私は過剰に恐れているかもしれない」
または
「私は過剰に楽観視しているかもしれない」

と、疑うことが大切だと思います。

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