より正確に企業価値を見るために。 株価収益率PERを、数年分の収益の「平均値」で見てみよう。

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こんにちは、slashです。
株式投資では、銘柄が割安か?割高か?
それを基準に売買することがありますよね。

今回は割安割高を判断する指標の1つ
株価収益率(PER)についてです。

資産運用・投資は自己責任で行って頂くようお願いいたします。

株価収益率(PER)とは?

株式投資をされている方なら
ご存知かとは思いますが、
簡単に説明を書いておきます。

株価収益率(PER)は
その会社の1株あたり収益に対して
株価が何倍になっているかを示すものです。

PER = 株価/1株あたり当期純利益(EPS)

この数値が小さい銘柄は
収益の大きさのわりには株価が安い、
つまり割安であると考えられます。

逆に数値が大きければ
収益の大きさのわりには株価が高い、
つまり割高であると考えられます。

一般的にはPERは15~20倍程度が
適正と言われます。
(業種などによって適正な数値は異なるのであくまでざっくりとした目安)

1株あたりの収益

PERを計算するには、
株価1株あたり当期純利益(EPS)
情報が必要です。

これはわざわざ自分で計算せずとも
ヤフーファイナンスや株探のような
投資情報サイトで銘柄を検索すれば
すぐに見ることができます。

こういったサイトでは
銘柄をPER低い順で並べて表示するとか
そういった操作もできるので
低PER銘柄もすぐに探し当てられます。

平均を取ろう

単年度の収益だけ見ると・・・

ヤフーファイナンスや株探では
PERは「予想」を元に計算されたものが
表示されています。

「今年は○○円くらい利益でそうだな~」
という予想を元にEPSが計算されるので
PERも当然「予想」です。

さらに、
企業の収益は毎年同じではなく
年によってばらつきます。

すると単年度の収益だけを元に計算したPERは
本当にその企業の価値を正確に表しているか?
少々疑問に思えてきます。

例えば、事業や不動産の売却などで
お金が入った場合は、
それを利益に計上すると
その年の利益が大幅に引き上げられる場合があります。

すると、その銘柄のPERも
(株価が大幅に変動していなければ)
大幅に低下します。

さて、これは大幅に割安になったと
考えて良いのでしょうか?
利益が増加した理由が
本業以外の特別利益によるものであれば
企業の価値が上がったとは
言えないかもしれませんね。

単年度の収益だけ見てしまうと
たまたまその年だけ好調で低PERになったり
たまたま不調で高PERになったりと
数値が不安定になる事があります。

数年分の平均を取れば・・・

そこで、なるべく正確に企業価値を測るために
過去数年分の収益の平均を取ってみる
という方法が考えられます。

「賢明なる投資家」の著者
ベンジャミン・グレアム氏は
一株利益の複数年の平均を用いて
PERを計算していたそうです。

そうそれば、
たまたま好調だったり不調だったりする
時期の影響をある程度排除できますね。

参考書籍

新 賢明なる投資家 (上) ──割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法《改訂版――現代に合わせた注解付き》
著者:ベンジャミン・グレアム、ジェイソン・ツバイク
訳者:増沢和美、新美美葉、塩野未佳
発行所:パンローリング株式会社

四季報を見れば過去数年分の
業績はすぐに見られますし、
各企業のサイトにいけば
もっと過去に遡ってデータを
見ることもできます。

さて、ここで私も実際の銘柄で
平均利益を計算してみます。

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アールビバン(証券コード:7523)

EPSの推移
2014:58.68
2015:38.71
2016:40.69
2017:△45.84
2018:41.32
2019:157.01
2020:77.4(予想)

参照サイト:アールビバン株式会社
https://www.artvivant.net/

2019年の1株益が非常に高いですが、
これは事業売却益による特別利益計上の影響があり
ここだけ見て計算してしまうと
PERが5倍未満という
かなりの激安に見える水準になります。

2020年の数値はまだ予想段階ですが、
2014年~2020年の7年分を平均すると
一株益はだいたい52.57円になります。

この数字と
2020年2月7日時点の株価669円を用いて
PERは約12.73倍となります。
おそらくこちらの方が
会社の実態をよくあらわしている
のではないかと思われます。

激安というほどでもありませんが、
べらぼうに高いわけでもなさそうです。

タカチホ(8225)

EPSの推移
2014:△88.1
2015:△235.2
2016:221.6
2017:214.58
2018:220.93
2019:296.2
2020:239.8(予想)

参照サイト:株式会社タカチホ
http://www.kk-takachiho.jp/

以前にもこのブログで取り上げた会社です。
私は別にタカチホ推しというわけでもないので
悪しからず(汗

2020年の予想EPSを元に計算すると、
同社のPERは約6.6倍と
すごく安く見えます。
(2020年2月7日時点の株価1590円で計算)

7年分の一株利益を平均すると約124円。
それで計算し直すとPERは約12.8倍です。
すごく安いとまでは言いにくいですかね。

まとめ

PERは単年度の利益だけで計算した場合、
その年だけ業績が良かったり悪かったりすると
その影響を受けてしまいます。

少し面倒ではありますが、
数年分の利益を平均することで
より実態に近いPERが出るのではないかと
思いました。

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