ナンピン買いはダメな方法か?勝率は高くても期待値は・・・

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こんにちは、slashです。
株式投資では
「ナンピン買いはダメ!」
だとか
「下手なナンピンスカンピン」
という格言もあったり
否定的な意見がよく見られます。

今回はナンピン買いはダメな方法か?
ちょっと考えてみました。

資産運用・投資は自己責任で行って頂くようお願い致します。

ナンピン買いとは?

何か株を買ったとして
それが値下がりしてしまった場合に
さらに資金を追加して
株を買い増ししていくやり方です。

メリット

下がったところで買うので
平均取得単価は下がっていきます。
会社が倒産して紙くずになったりしない限りは
株価が永遠に下がり続ける事はなく
どこかで反転すると考えられるので
株価が元の水準まで反発してくれば
(場合によっては元の水準に届かない程度の反発でも)
利益となります。

デメリット

株価が反転する事を期待して
下がっていく中を買い向かうのですが、
株価はいつ反転するのか?
どの程度反発してくるのか?
読みを外してしまうと大損するリスクがあります。
株価が下がる時は
何ヶ月も何年もズルズルと下がり続ける事があります。

JT(2914)なんかそうですよね(汗
2015年の約4800円から下がり続けて
今(2020年1月)ではもう半値になってしまいました。

マルチンゲール法

ナンピン買いは
買った株が下がれば買い増す、
つまり損失が出たら
さらに資金を投入していくやり方です。

損失が出たら追加で資金を出す・・・
これに関連して思いつくのが
「マルチンゲール法」と呼ばれるやり方です。

マルチンゲール法とは?

簡単に言ってしまうと

賭けで負けたら掛け金を
倍に増やして再挑戦し、
一回勝つまでそれを繰り返す。

勝負に負けるたびに
資金を投入していくという点では
ナンピン買いと似たところがあります。

ここで、
次のようなゲームを想定してみます。

50%の確率でプレイヤーの勝ちとなり、掛け金が2倍になる。
50%の確率でプレイヤーの負けとなり、掛け金は0になる。

プレイヤーは掛け金の金額を自由に選択でき、
資金が尽きない限り何度でも挑戦
できるものと仮定します。

このゲームをマルチンゲール法で
やると以下のようになります。

1回目は掛け金10000円でチャレンジするとします。
1回目で勝てばそのまま10000円儲けて終了。

負けた場合は、
次は20000円を掛け金として2回目の挑戦をします。

2回目も負けたら次は40000円で挑戦
3回目も負けたら次は80000円で挑戦・・・
このように負けたら
掛け金を2倍にして再挑戦をし、
1回勝つか資金が尽きるまで繰り返します。

メリット

この方法だと
資金が尽きるまでの間に
1回でも勝てば10000円の儲けとなります。
プレイヤーの初期資金が多いほど
挑戦できる回数が増えるので
金持ちであるほど
勝ちやすいといえるでしょう。

初期資金7万円でスタートするなら
ゲームに3回チャレンジでき、
3回のうち1回勝てばいいので、
勝てる確率は87.5%となります。
つまり87.5%の確率で勝って資金が1万円増え、
12.5%の確率で資金を全額失う事になります。

初期資金1023万円からスタートなら
10回チャレンジできるので
10回以内で勝てる確率は99.90234375%となり、
ほぼ確実に1万円プラスにできる事になります。

すたーちゃん
すたーちゃん

じゃあ、この方法は
金持ちが有利!
富める者がより富む
ってわけか・・・

実は期待値が変わらない

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勝率だけに注目すると
金持ちほど有利な勝負に見えますが
実はそうでもありません!

ここは「期待値」に着目してみましょう。

7万円もって3回勝負するなら
3回以内に勝つ:
プラス10000円、発生確率87.5%
3回連続で負ける:
マイナス70000円、発生確率12.5%

期待値は10000*0.875 – 70000*0.125 = 0

つまり期待値は0円です。

1023万円もって10回勝負するなら
10回以内に勝つ:
プラス10000円、発生確率99.90234375%
10回連続で負ける:
マイナス10230000円、発生確率0.09765625%

これも計算してみると期待値は0円です。

結局のところ
半々の確率で掛け金が2倍になるか
全額失うかの勝負は
1回1回の勝負の期待値が0なので、
期待値0をいくら足し合わせても
トータルの期待値は0というわけです。

つまり、マルチンゲール法とは
・資金が多いほど勝負できる回数が多くなり、なおかつ1回でも勝てば小さなプラスになるので資金が多ければほぼ負けない。
・しかし、万が一、全ての勝負に負けてしまうと資金を全額失うことになる。
・結局のところトータルの期待値で考えると有利にも不利にもなっていない。

例え100回、200回と小さな勝ちを
積み重ねたとしても
「全ての勝負に負ける」を1回でも
やってしまうと全てが水の泡となる。
ものの見事なまでの
コツコツドカンをやらかす
リスクのあるやり方となりますね。

2つの共通点

ナンピン買いとマルチンゲール法
どちらも
「負けたら資金を追加する」
「資金が多い方が勝ちやすい」
「大損のリスクを抱える」
という点では共通しています。

勝率が高いからといって
それだけでは良い投資方法とは
判断ができません。

投資などで
「高勝率!」「高的中率!」
といった謳い文句を見かけると
魅力的に見えるかもしれませんが
高い勝率と引き換えに
何かリスクを抱えているのではないか?

疑ってかかった方が良いかもしれません。

資金の少ない投資家は特に注意

資金が十分にある投資家であれば
株価が下がったところを
何度も買い増ししていけるので
資金が尽きるという事は
起こりにくいと思いますが、

私のような資金が
100万とか200万程度の弱小投資家は
下落銘柄の買い増しを繰り返していたら
あっという間に資金を追加する余裕が
なくなる可能性が高いです。

私個人としては
ナンピン買いを全否定はしませんが、
資金の少ない投資家は
やってもそれほど高確率では
勝てないのであまり
安易に手を出さない方が
良いんじゃないかなと思っています。

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